【金融庁】仮想通貨交換業者への規制をより厳しくする方針

【金融庁】仮想通貨取引所など交換業者への規制をより厳しく

金融庁が、仮想通貨の取引所などを含む交換業者への規制をさらに厳しくする方針であることを、日本経済新聞社が明らかにしました。

仮想通貨の取引所コインチェックのネム流出事件は記憶に新しいですが、こういった交換業者に対する規制を厳しくすることで、より健全な仮想通貨取引をするための環境が整備されていきます。

連休明けに交換業者への立ち入り検査の結果を統括

コインチェックの事件があってから、取引所を含む交換業者への立ち入り検査が行われましたが、この検査の結果を踏まえて現在の登録業者や新たに登録する業者に対しての審査基準を固めるということです。

登録業者の審査に新たな5つの項目を導入

日本経済新聞社が明らかにしている点として、今までの審査がノウハウもなく、手探りの状態であったという担当官の言葉が掲載されています。
コインチェックの事件後に行われた立ち入り検査により、多くの交換業者がずさんな管理をしており、違法行為も明らかになったことから、金融庁も危機感を持って対策を講じていることが分かります。
今回、登録業者がチェックすべき以下の点が挙げられています。

顧客の資産と業者の資産の徹底した分離管理

取引所で顧客が預けた資産が、外部に流れていないか、不自然な動きがないかを時間単位で管理する体制を強化する。
業者の役員などが顧客資産を横領・流用しない為の対策を講じる。

内部の管理体制の強化

企業としての統治が円滑に運営されるように、株主と経営を分ける。
資産を管理するシステムの開発者等による資産悪用を防ぐため、システム開発の担当と資産管理の担当を分離。

仮想通貨をコールドウォレットで管理する仕組みづくり

コインチェックで流出があったネムはホットウォレット(インターネットに繋がれた状態)で管理されていたため、交換業者の管理義務として、コールドウォレット(インターネットに繋がれていない状態)で管理すること。
マルチシグなど、送金時に必要なパスワードが複数求められる仕組みを形成。

匿名性が高い通貨は、原則として認めない

コインチェックで取り扱いがあったジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)、モネロ(XMR)は匿名性の高い通貨でしたが、こういった通貨はマネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用される可能性が高いため、原則として取り扱いを認めない。
取扱い通貨となっている場合は、その通貨の取引をやめるか、交換業からの撤退が求められる可能性も。

上記に挙げられた対策の他にも、レバレッジ取引等に対する取引の上限規制や、「みなし業者」として営業できる期間の制限なども検討される見通しとなっています。
金融庁としては、仮想通貨市場の「成長」よりも「監視・制限」に重きが置かれているようですね。
日本国内での規制や法整備の動きは、世界的に見ても動きが早く、海外の規制などにも影響することがあります。
仮想通貨の取引を健全化するという目的が果たされ、結果的に仮想通貨市場の成長に繋がるかどうかが注目ポイントですね。

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