コインチェックが匿名通貨など4通貨(ZEC,DASH,XMR,REP)取扱い廃止

コインチェック┃匿名通貨等4通貨(ZEC,DASH,XMR,REP)を廃止

マネックスグループ(東証1部上場)の傘下に入った、仮想通貨取引所コインチェックが、6月18日より匿名通貨を含む4種類の仮想通貨の廃止を発表しました。
今回、廃止が決定した仮想通貨は以下の4種類です。

Zcash:ジーキャッシュ(ZEC)
DASH:ダッシュ(DASH)
MONERO:モネロ(XMR)
Augur:オーガー(REP)
※各通貨の詳細は上記通貨名をクリックし、詳細ページを参照してください。

コインチェックと言えば、仮想通貨ネムの不正送金事件が記憶に新しいですが、今回の取扱い通貨廃止に至った経緯と理由をまとめておきましょう。

匿名性の高い通貨はマネーロンダリングの危険性が懸念されている

まず、匿名通貨と呼ばれている通貨がなぜ廃止されるのかという点です。
例えばビットコインの場合は、誰から誰に何BTC送られたかという履歴は全てブロックチェーン上に記録されており、公開されているので、誰もがチェックすることができます。
自分のビットコイン受け取り用のアドレスを「」等で検索すると、そのアドレスに関する履歴はすべて見ることができます。
そのアドレス内に保有しているビットコインが、今までどういった経緯で移動してきたのかをすべて確認することができます。

送金先を追跡することができない匿名通貨

コインチェックでの取り扱いが廃止された4通貨のうち、「ジーキャッシュ(ZEC)」「ダッシュ(DASH)」「オーガー(REP)」の3つの通貨は匿名性が高い通貨として知られています。
これらの通貨での取引は送金元が特定できないようになっています。
こういった性質があるが故に、資金洗浄(マネーロンダリング)に悪用される可能性が指摘されており、日本国内ではこれらの通貨の取引は認めることができないという判断でした。
その為、コインチェックは金融庁への登録が完了しておらず、「みなし業者」として運営されていました。

匿名通貨の存在意義はどこにあるか?

コインチェックでは、仮想通貨ネム(XEM)の不正送金事件がありましたが、その際も匿名通貨であるダッシュ(DASH)への換金が試みられていたと言われています。
マネーロンダリングに悪用されるという懸念材料は、既に具体的な事例が上がっており、日本が国として規制するのも理解できます。
ですが、同時に「送金元が分からず、匿名で取引できる」という点にはメリットもあります。
例えば、ネットショップなどで買い物をしたい場合、決済時にはある程度の個人情報が必要となります。
名前、電話番号、クレジットカードの情報などですね。
これはネット上で取引をする上では、どうしても必要な情報です。
サービスの利用者は自分の信用を証明するために、住所やクレジットカードの情報を入力します。
しかし、この行為は相手方(企業)への信頼が必要なものであり、個人情報の流出などのリスクを伴っているわけですね。
こういったリスクを取ることなく、決済の信頼性を保つことができる手段として、仮想通貨決済が注目されています。
そして特にこの「匿名性の高い通貨」がその役割を担うものとして存在し、開発されています。
マネーロンダリングという懸念点があるものの、仮想通貨が決済手段として活用されていく上では非常に重要なポイントとなっています。
コインチェックが「みなし業者」として運営を続け、3つの匿名通貨を取り扱い続けた理由もここにあり、コインチェック開発担当の執行役員である和田氏も「今後の暗号通貨の発展にトランザクションの秘匿化は欠かせない」と述べています。

Augur(REP)は未来予想市場(ギャンブル)に関連する通貨

4つの通貨のうち匿名通貨ではない仮想通貨も、今回の廃止対象となっています。
Augur(REP)は、胴元のいない未来予測市場の実現を目指しているプロジェクトです。
簡単に言うとギャンブルに使われるということですね。
ギャンブルや賭け事というと、聞こえが悪かったり、あまり良い印象はないかもしれませんが、経済活動を活発化させる重要な要素の一つとして捉えることもできます。
実際に、ラスベガス、マカオといった都市はカジノリゾートとして栄え、経済的に繁栄しています。
しかし、ギャンブル依存や治安の悪化という副産物があるという点も無視できないため、国としてもギャンブルに対しては規制する方向にあるということでしょう。

今後のコインチェックの動向について

コインチェックの今回の発表は、「みなし業者」ではなく、日本国内の取引所として正式な登録を受ける為の動きと見ることができます。
コインチェックはユーザーも多く、廃止になる4通貨を除いたとしても、取扱い通貨の多い取引所です。
特に「イーサリアムクラシック(ETC)」「リップル(XRP)」「リスク(LSK)」「ネム(XEM)」といった通貨は、ある程度需要があるものの、日本国内の取引所での扱いが少ないという現状があります。
その為、コインチェックが正式に運営を再開させることには大きな意義がありますし、ニーズも十分にあると言われています。

取扱が廃止になる通貨はウォレットに移すのが最善か

もしコインチェックで、上記4つの通貨を保有している場合は注意が必要です。
6月18日に取扱いが廃止になる際、顧客の資産は現金化されて、各アカウント内に円資産として残ります。
その為、仮想通貨のまま保有したい場合は、廃止になる前にウォレット、もしくは他の取引所に移しておく必要があります。

仮想通貨はハードウォレットで保管がおすすめ

仮想通貨を保管する場合は、基本的にはウォレットで保管するようにしましょう。
不特定多数のユーザーがアカウントを作成し、多くの仮想通貨資産が集まる取引所はハッキングリスクが高いと言えます。
なるべくリスクを抑える為に、ウォレットを作成し、自分の管理下に置いておくようにしておきましょう。
セキュリティ面で比較的安全なウォレットとしては、やはり「ハードウェアウォレット」がおすすめです。

●Ledger Nano S(レジャーナノエス) 
イーサリアムなどの複数の仮想通貨をローカル環境で保管できます。日本でも人気のリップル(XRP)を保管できるハードウェアウォレットとして人気があります。

仮想通貨ハードウェアウォレット┃Ledger Nano S(レジャーナノエス)
●TREZOR(トレザー) 
取引所「Zaif」のテックビューロ株式会社とSatoshiLabsの業務提携で生まれたハードウェアウォレット。2ボタンで仮想通貨の送受信を行うことが可能。

仮想通貨ハードウェアウォレット┃TREZOR(トレザー)

※紹介しているウォレットの安全性を保証するものではありません。
使用される場合はご自身でも調査し、自己責任でご利用ください。

コインチェックの運営再開には、まだ少し時間がかかりそうです。
それまでに、仮想通貨を保有したい方は、日本国内の他の取引所に口座を開設しておきましょう。
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