仮想通貨の投資を始めた人であれば、「レバレッジ取引」や「仮想通貨FX」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
よく分からない分野には抵抗があるかもしれませんが、中身をちゃんと理解すれば挑戦することが怖くなくなります。
ここでは仮想通貨の「レバレッジ取引」とは何か?
そして「レバレッジ取引」ができる取引所のそれぞれの特徴について解説していきます。
レバレッジ取引とは?FXや信用取引って何?
「レバレッジ(Leverage)」という言葉を直訳すると「てこ」になります。
つまり皆様が良くご存じの「てこの原理」というものですね。
「てこの原理」は小さな力でより大きなものを動かすことができるというものです。
このイメージと全く同じで、「レバレッジ取引」とは、少ないお金でより大きなお金を動かす取引のことですね。
例えば『レバレッジ10倍』の取引をする場合、1万円しか持っていなくても10万円の取引ができるということです。
レバレッジ取引の仕組み┃なぜ数倍の取引ができるのか?
てこの原理は理解できても、なぜ持っている資金よりも大きな金額の取引ができるのか、疑問ですよね。
では、レバレッジ取引の基本的な仕組みを解説します。
一言で言ってしまうと「取引の為にお金を借りている」ということです。
レバレッジ取引の場を提供する取引所や業者が、「取引をしたい人の代わりに取引を行う」または「取引所や業者からお金を借りて取引を行う」といった方法があります。
取引をしたい人の代わりに取引所や業者が取引を行う形
この形の場合は、取引の指示やタイミングは自分で決めるものの、実際の取引は取引所や業者が行っているというパターンです。
投資者は1万円を取引所に預けます。
資金を預かった取引所は、投資者の代わりに10万円分のビットコインを購入します。
ビットコインの価格が上昇し、10万円分のビットコインが11万円になったとします。
ここで投資者はビットコインを売りたいと指示を出すことで、取引所はビットコインを売りますが、投資者の口座残高には差額の1万円が追加され、資金は2万円となります。
投資者の口座に反映されるのは、決済を行った後の差額のみが反映されるということです。
取引所や業者からお金を借りて取引を行う形
この形の場合は、取引所や業者にお金を借りて取引をし、取引が終わったあとに借りたお金を返すというパターンです。
投資者は1万円を担保にして、取引所から10万円を借ります。
その借りた10万円を使って、ビットコインを購入します。
ビットコインの価格が上昇し、10万円分のビットコインが11万円になったとします。
ここで投資者はビットコインを売り、11万円が手元に残りますが、取引後に借りた10万円を返す必要があるため、残りの1万円が口座に追加され、資金は2万円となります。
手持ちの資金よりも損失が大きくなったらどうなる?
ここで心配になるのが、手持ちの資金よりも損失が大きくなった時にどうなるのか?という点ですよね。
例えば、1万円の資金で10万円分のビットコインを購入したとします。
ビットコインの価格が下落し、10万円分だったビットコインは8万円になってしまいました。
この時の損失は2万円となるため、手持ちの1万円では損失分を補填することができなくなってしまいます。
こうならない為に用意されている仕組みが「ロスカット」です。
取引を強制的に終了させる「ロスカット」
「ロスカット」というのは、ある一定の損失が出てしまった場合に、取引を強制的に終了する仕組みです。
ロスカットを行う基準に関しては、取引所によって異なります。
例えば、元本割れをロスカットの基準としている場合をみてみましょう。
1万円の資金で10万円分のビットコインを購入したとします。
ビットコインの価格が下落し、10万円分だったビットコインが9万円になると、損失が1万円となり元本を割ってしまいます。
この時、強制的にロスカットが発動し、強制的に決済が行われます。
投資者は、元本の1万円を失うことになりますが、ロスカットが行われることで元本以上の損失を出すことはありません。
レバレッジ取引のメリットとデメリットを解説!
実際にレバレッジ取引に挑戦する前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。
手持ちが少なくても大きなリターンが期待できるということは、同時に「リスクも大きい」ということです。
ひとつの投資スタイルとして、自分に合っているかどうかを考えてみましょう。
レバレッジ取引のメリット
まずはレバレッジ取引を行う上でのメリットを見ていきましょう。
小さな資金でも大きなリターンを期待できる
上記の説明でも解説していますが、元手が少なくて済むというところは大きなメリットですね。
通常の仮想通貨の現物取引の場合、大きなリターンを得ようとすると、それなりの大金が必要になってきます。
多額の資金を用意することは難しいですし、ギャンブル的な要素が強いため、「なくなってしまっては困るお金」は使えません。
少額で始められて、リターンは大きく狙えるという点はメリットとなります。
価格が下落した時でもリターンが狙える
これはレバレッジ取引ならではの特徴と言えます。
通常の現物取引の場合は、「安く買って高く売る」という形になるので、価格上昇のタイミングを狙う形になり、下落トレンドの時は待つ必要があります。
レバレッジ取引の場合は、「売り」から注文することができ「高く売って安く買い戻す」という形をとることができます。
その為、仮想通貨が下落しているときでも利益を出すことができるということですね。
基本的には借金を抱えることがない
「株や為替のFXで借金を抱えた」という話しを聞いたことがあるかもしれません。
仮想通貨のレバレッジ取引の場合、最悪「元本がなくなる」ということはあっても、借金を抱える心配はしなくても良いでしょう。
というのも、レバレッジ取引を提供する業者が「証拠金維持率を高く設定」していたり、「追証(おいしょう)なし」としていることが多いからです。
証拠金維持率とは?
レバレッジ取引を行うためには、「証拠金」が必要となります。
最低限必要とする「証拠金」の割合のことを「証拠金維持率」と言います。
例えば、「証拠金維持率が50%」に設定されていて、証拠金1万円で10万円分のビットコインを取引(レバレッジ10倍)をしているとしましょう。
価格が下落して、10万円分のビットコインの価値が9万5千円になると「含み損」が5千円となります。
「証拠金」が1万円で「含み損」が5千円の場合、証拠金残高の5千円÷1万円で証拠金維持率は50%となります。
これ以上価格が下落してしまうと、設定されている証拠金維持率を保てなくなっていまい取引ができなくなってしまいます。
追証(おいしょう)とは?
追証(追証)とは追加証拠金のことです。
上記で証拠金維持率の説明をしていますが、「追証あり」の場合、この証拠金維持率を保つために証拠金を追加で投入するする必要があります。
「証拠金」が1万円で「含み損」が5千円になったときに、追加で証拠金を5千円投入すると、証拠金残高は1万円となり、1万円/1万5千円で証拠金維持率を66.7%に上げることができます。
仮想通貨のレバレッジ取引においてはこの「追証」がないところがほとんどです。
レバレッジ取引のデメリット
レバレッジ取引にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
デメリットの部分もしっかりと理解しておきましょう。
リターンが大きい分、リスクも大きい
レバレッジ取引は大きなリターンを狙うことができる反面、それがリスクともなります。
レバレッジをかけている分、含み損は大きくなりますので、証拠金がなくなるスピードも早まってしまうため、最悪の場合、一瞬で資産を失うこともあります。
長期の取引には向かない
レバレッジ取引をする上で、忘れてはいけないのがレバレッジ取引特有の手数料です。
基本的には業者や取引所からお金を借りているイメージですので、その分「利子」のような手数料が発生します。
ほとんど場合「1日あたり0.04%」といった具合に、1日単位で手数料が取られてしまうため、長期の取引には向きません。
基本的には短期トレードになると考えておくと良いでしょう。
投資初心者には不向き
仮想通貨の投資には様々な形がありますが、レバレッジ取引は特に「初心者には向いていません」
レバレッジ取引は基本的に短期トレードとなるため、短期の価格変動を予測するスキルとノウハウが必要です。
プロのトレーダーでも難しい予測を初心者ができるはずもなく、「なんとなく」で参加するのはやめた方が良いでしょう。
レバレッジ取引ができる取引所を一挙紹介!
海外・日本国内を含め多くの取引所でレバレッジ取引を行うことができます。
取引所によってかけることができるレバレッジの大きさが違っていたり、対応している仮想通貨の種類が異なりますので使いやすい取引所を探してみましょう!
BitMEX(ビットメックス)
【取引手数料】-0.025%~0.075%
【対応通貨】BTC・BCH・ETH・LTC・DASH 他
bitbank(ビットバンク)
【取引手数料】0.01%
【対応通貨】BTC
QUOINEX(コインエクスチェンジ)
【取引手数料】無料
【対応通貨】BTC・ETH・ETC
DMM Bitcoin
【取引手数料】無料
【対応通貨】BTC・BCH・ETH・ETC・XEM・XRP・LTC
GMOコイン
【取引手数料】無料
【対応通貨】BTC・BCH・ETH・XRP・LTC