SBIがLastRootsに出資┃仮想通貨業界で買収・提携が進む理由

SBIがLastRootsに出資┃仮想通貨業界で買収・提携が進む理由

仮想通貨c0ban(コバン)を展開している「LastRoots」に、SBIホールディングスが出資・提携することが発表されました。
⇒「LastRoots公式ページ

仮想通貨c0ban(コバン)を取引できる取引所も運営している「LastRoots」は、2017年9月に仮想通貨交換業者として金融庁に申請していますが、現在は「みなし業者」として運営を続けています。

LastRoots・コインチェック┃業界で買収・資本提携がなぜ進む?

SBIによるLastRootsとの資金提携、マネックスグループによるコインチェックの買収など、仮想通貨ベンチャー企業が金融業の経験値が高い企業に買収されたり、資本提携を進めるニュースが目立ちます。
こういった動きが起こる背景には、「金融庁が求める金融機関並みの運営体制」が影響しているようです。

金融庁が求める金融機関並みの運営体制

金融庁による立ち入り検査や業務改善命令が行われることで、仮想通貨関連の業者にも「金融機関並みの運営体制」が求められています。
仮想通貨交換業者の多くは、起業家やエンジニアなどによって立ち上げられていることが多い。
新しい技術であるブロックチェーンの仕組みに関しては詳しかったり、活用するアイデアはあったとしても、金融業としてリスクを管理する上での知識が乏しいというのが現状にあるようです。
登録業者・みなし業者のいずれにおいても、金融庁の方針に従っていくためには「金融業に精通した人材の確保」が必要となっています。

大手金融機関には大きなメリット

将来性のある仮想通貨業界に参入したくても、日本で仮想通貨を扱うには金融庁から認可を受ける必要があります。
その申請状況は順番待ちの状態でいつ認可を受けることができるか分からない状態。
こうした状況の中で待っているよりは、「金融業の経験値を求めている」仮想通貨交換業者を買収、もしくは提携する方がメリットは大きいと考えられます。
また、現時点で仮想通貨市場は低迷時期にあり、仮想通貨関連企業を取り込むには絶好の機会なのかもしれません。

みなし業者は16社から3社に減少

2017年には16社あったみなし業者も、現在(2018年8月)は3社まで減少しています。
金融庁が仮想通貨交換業者に対して示した方針に基づき、各業者に立ち入り検査や業務改善命令・業務停止命令が行われました。
その結果、多くのみなし業者が登録申請を取り下げるなどして撤退。
みなし業者として残っているのは以下の3社となっています。

・コインチェック株式会社
・株式会社LastRoots
・みんなのビットコイン株式会社

これらの3社に共通している点としては、金融機関が関与しているという点です。
前述したように「コインチェック」はマネックスグループの傘下に入り、「LastRoots」はSBIの資本提携を受け入れました。
「みんなのビットコイン」はトレイダーズホールディングス株式会社の子会社です。

仮想通貨関連企業と金融機関との連携がカギ?

これらの状況を考えると金融庁に登録申請をし認可を得るには、かなり大きなハードルを越える必要がありそうです。
これはみなし業者にだけ言えることではなく、既に登録業者として運営している取引所に対しても同じ運営体制が求められています。
金融庁が求める「金融機関並みの運営体制」を構築していけるかどうかが、取引所存続のカギとなるでしょう。

こうした日本国内の施策が、どう影響していくのかが見どころです。
安心感や信頼感が増すことで市場が活性化する可能性もありますが、ブロックチェーン技術を開発・展開していく上でのブレーキとなり世界に遅れを取ることも十分に考えられます。
引き続き注目しておきたいポイントですね。

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