イーサリアム6回目のハードフォークが完了
ビットコインのハードフォークが話題になっている中で、
11/16(月)にイーサリアムのハードフォークが行われました。
今回のハードフォークは「Byzantium」と呼ばれています。
前回イーサリアムのバージョンのアップグレードに関して
記事を掲載しましたが、今回のハードフォークは『メトロポリス』への
アップデートに含まれるハードフォークになります。
⇒「イーサリアムのアップデート『メトロポリス』に関してはコチラ」
『メトロポリス』は2段階のハードフォークを予定している
イーサリアムがメトロポリスにアップデートされるにあたり、
2段階のハードフォークが予定されています。
今回の「Byzantium」は1段階目。
この後、「Constantinople」と呼ばれる2段階目のハードフォークがあります。
「Constantinople」のハードフォークの日時は明確になっていませんが
2018年中には行われると言われています。
「Byzantium」ハードフォークで起こること
今回のイーサリアムのハードフォークによって何が起こるのか。
大きな影響としては、当初予定されていたマイニング難易度の向上が
18ヶ月間先延ばしにされたこと。
マイニング報酬が5ETHから3ETHへ減額されたことなどが挙げられます。
マイニングに必要なエネルギーが低減
ブロックに含まれるデータの中で、特定の情報を削除することで
マイニングに必要なエネルギー(消費電力)が低下する見込み
ユーザービリティの向上
今まではイーサリアムにおけるコントラクトが実行されたか
どうかを確認するためには、イーサリアムブロックチェーン上の
全ての情報をダウンロードし最新のものにする方法か、
もしくは、データを参照するために第三者機関を通す必要がありました。
この確認をより手軽に行うことが可能になるようです。
マイニングの報酬額を調整
ブロックチェーン上でよく起こる事象として、複数のマイナーが
同時にマイニングに成功するということがあります。
この場合、一時的にチェーンが分岐し、最終的に長いチェーンが
生き残り、短くなったチェーンが消滅します。
この分岐したブロックを生成したマイナーも報酬を得られますが、
この時に支払われる報酬設定のバランスが調整されました。
匿名機能の追加
イーサリアムは透明性が高いブロックチェーンの仕組みを
持っていますが、今後イーサリアムが活用されていく上では、
ある程度「匿名性」という機能が必要でした。
例えば「投票」プログラムをイーサリアムで開発する場合、
位置情報など、誰もが知ってしまうと問題となる情報を
取得したいとなることがあります。
この「匿名性」を利用できるようにするために、ZCASHで
使われている仕組みが実装されるそうです。
⇒「ジーキャッシュ(ZCASH)に関してはコチラ」
サイバー攻撃などへの安全性の向上
イーサリアムはその仕組み上、コントラクトが複雑になっていきます。
ビットコインの場合は、「どこからどこに何BTC移った」という
単純なデータを記帳していくだけですが、イーサリアムは
様々な条件下で起こる結果を記帳していく必要があります。
このデータが複雑になるが故に、サイバー攻撃にあったのが
あの「DAO事件」なわけです。
⇒「DAO事件に関してはコチラ」
こうした複雑性を改善し、ユーザーが自身が管理するコントラクトの
特定のデータを取得できるようになるとのこと。
今後のイーサリアムのアップデートに注目
イーサリアムのハードフォークは、ビットコインのハードフォークとは異なり、
前もってハードフォークされることが前提とされた仮想通貨です。
それはイーサリアムが持っている「ワールドコンピュータ」という思想があるからです。
現在はまだプロトタイプという位置づけであり、この思想を実現するために、
今後もアップデートを繰り返していくということです。
イーサリアムがどのように思想に近づいていくのか。
今後のイーサリアムのアップデートに期待したいですね。