イーサリアム6回目のハードフォークが完了
ビットコインのハードフォークが話題になっている中で、
11/16(月)にイーサリアムのハードフォークが行われました。
今回のハードフォークは「Byzantium」と呼ばれています。
前回イーサリアムのバージョンのアップグレードに関して
記事を掲載しましたが、今回のハードフォークは『メトロポリス』への
アップデートに含まれるハードフォークになります。
⇒「イーサリアムのアップデート『メトロポリス』に関してはコチラ」
『メトロポリス』は2段階のハードフォークを予定している
イーサリアムがメトロポリスにアップデートされるにあたり、
2段階のハードフォークが予定されています。
今回の「Byzantium」は1段階目。
この後、「Constantinople」と呼ばれる2段階目のハードフォークがあります。
「Constantinople」のハードフォークの日時は明確になっていませんが
2018年中には行われると言われています。
「Byzantium」ハードフォークで起こること
![「Byzantium」ハードフォークで起こること](http://crypto-navi.org/wp-content/uploads/2017/10/20171019news001.png)
今回のイーサリアムのハードフォークによって何が起こるのか。
大きな影響としては、当初予定されていたマイニング難易度の向上が
18ヶ月間先延ばしにされたこと。
マイニング報酬が5ETHから3ETHへ減額されたことなどが挙げられます。
マイニングに必要なエネルギーが低減
ブロックに含まれるデータの中で、特定の情報を削除することで
マイニングに必要なエネルギー(消費電力)が低下する見込み
ユーザービリティの向上
今まではイーサリアムにおけるコントラクトが実行されたか
どうかを確認するためには、イーサリアムブロックチェーン上の
全ての情報をダウンロードし最新のものにする方法か、
もしくは、データを参照するために第三者機関を通す必要がありました。
この確認をより手軽に行うことが可能になるようです。
マイニングの報酬額を調整
ブロックチェーン上でよく起こる事象として、複数のマイナーが
同時にマイニングに成功するということがあります。
この場合、一時的にチェーンが分岐し、最終的に長いチェーンが
生き残り、短くなったチェーンが消滅します。
この分岐したブロックを生成したマイナーも報酬を得られますが、
この時に支払われる報酬設定のバランスが調整されました。
匿名機能の追加
イーサリアムは透明性が高いブロックチェーンの仕組みを
持っていますが、今後イーサリアムが活用されていく上では、
ある程度「匿名性」という機能が必要でした。
例えば「投票」プログラムをイーサリアムで開発する場合、
位置情報など、誰もが知ってしまうと問題となる情報を
取得したいとなることがあります。
この「匿名性」を利用できるようにするために、ZCASHで
使われている仕組みが実装されるそうです。
⇒「ジーキャッシュ(ZCASH)に関してはコチラ」
サイバー攻撃などへの安全性の向上
イーサリアムはその仕組み上、コントラクトが複雑になっていきます。
ビットコインの場合は、「どこからどこに何BTC移った」という
単純なデータを記帳していくだけですが、イーサリアムは
様々な条件下で起こる結果を記帳していく必要があります。
このデータが複雑になるが故に、サイバー攻撃にあったのが
あの「DAO事件」なわけです。
⇒「DAO事件に関してはコチラ」
こうした複雑性を改善し、ユーザーが自身が管理するコントラクトの
特定のデータを取得できるようになるとのこと。
今後のイーサリアムのアップデートに注目
イーサリアムのハードフォークは、ビットコインのハードフォークとは異なり、
前もってハードフォークされることが前提とされた仮想通貨です。
それはイーサリアムが持っている「ワールドコンピュータ」という思想があるからです。
現在はまだプロトタイプという位置づけであり、この思想を実現するために、
今後もアップデートを繰り返していくということです。
イーサリアムがどのように思想に近づいていくのか。
今後のイーサリアムのアップデートに期待したいですね。