600万枚のビットコインが行方不明状態┃価格にはどう影響する?

600万枚のビットコインが行方不明状態┃価格にはどう影響する?

仮想通貨関連のニュースサイトCNNが4日に伝えた内容によると、現時点において推定で600万枚ほどのビットコインが行方不明になっているそうです。
内訳としては喪失したビットコインが400万枚と盗難に遭ったビットコインが200万枚と言われています。
この発表はBitcoinカンファレンスで、BitGoの元技術者でCasaHODLのエンジニアであるJameson Lopp氏が述べたものです。

喪失したビットコインが価格に及ぼす影響は?

600万枚のビットコインが行方不明になっていることは何を意味しているのでしょうか。
ビットコインは発行上限が決まっており、2,100万枚しか発行されません。
そして現在は約1,700万枚のビットコインが流通しています。
現時点でのビットコインの時価総額はおよそ12兆円ですから、「12兆円÷1,700万枚」の約70万円がビットコインの価格となっています。
そのうち600万枚は永遠に取り出すことができないということは、ほぼないのと同じです。
そうなると実質的な価格が「12兆円÷1,100万枚」の約100万円になるという考え方もあります。
その為、ビットコインの喪失は長期的にビットコインの価格を上昇させる可能性があると言われています。

ビットコインの喪失は周知の事実

しかし、大量のビットコインが喪失していることは、多くのビットコインユーザーにとっては周知の事実です。
世界中のビットコイン投資家はこの点を認識している為、実際には喪失されたビットコイン分も加味した評価がされている可能性もあります。
様々な意見がある中で、ビットコイン価格が数万ドル~数十万ドルになると予測する投資家達は、その理由のひとつにビットコインの発行枚数に上限がある点を挙げています。
喪失し、行方不明となるビットコインが今後どれくらい増えていくのか。それがどのように明らかになっていくのかによって、ビットコインへの評価額は複雑に変化していきます。
はっきりとした因果関係を示すのは非常に難しい状況ですが、無視すべき問題でないことは明らかです。

ビットコインが喪失する原因は?

ビットコインが喪失する、行方不明となる原因は何でしょうか。
様々な理由が考えられますが、何らかの原因でビットコインを管理するための『秘密鍵』が分からなくなってしまったということです。

『秘密鍵』を失くすとビットコインにアクセスできない

例えば、大量のビットコインを管理する為にペーパーウォレットを作っていたとしましょう。
もしそのペーパーウォレットを紛失したり、焼失してしまった場合、記載されていた『秘密鍵』を再発行させる方法はありません。
またハードウォレットにビットコインを保管している場合、その端末が故障・紛失してしまっても、新しい端末を購入し「リカバリーフレーズ」で復旧することができます。
ですが、その「リカバリーフレーズ」を失くしてしまった、間違ったフレーズを記録していたなどの場合、復元することができず『秘密鍵』を失くしたのと同じ意味になります。
ビットコインにおいてこの『秘密鍵』は管理する上で最も重要な役割を担っているわけです。

ブロックチェーンのセキュリティが高いことも意味する

このように聞くとネガティブな印象があるかもしれませんが、別の見方をするとブロックチェーンの仕組みがセキュリティ面で強いという点を再認識できます。
例えば駅前にとめてある自転車に3桁のダイヤル式のカギがかけられていた場合、「000」~「999」のすべてのパターンを試せば、いつかはこのカギが外れます。
喪失したビットコインの秘密鍵を見つける作業はそんな単純なものではなく、仕組み上不可能と言われています。
ビットコインを盗もうとするハッカーからすると不可能と言われる方法を試すよりも、取引所などの『秘密鍵』の情報が集まる場所をハッキングする方が現実的です。
つまりビットコインを安全に管理したいと思う場合は、この『秘密鍵』をどこに、そしてどのように管理するかがポイントになってくるわけです。
取引所にビットコインを預けたままにしている場合は、『秘密鍵』を取引所に預けているのと同じ意味となり、自分の管理下にはありません。

『秘密鍵』を安全に管理するためのウォレット

ビットコインや他の仮想通貨を管理する上では、ウォレットで保管することが必須になるでしょう。
このウォレットにも数多くの種類が存在利便性とセキュリティのバランスが異なります。
⇒「仮想通貨ウォレットの種類に関して詳しくはこちら

最もおすすめするのはハードウォレットですが、端末が高価なので、最低でもローカルウォレット(デスクトップ・モバイル)を作っておきたいですね。
『秘密鍵』をオンライン環境からどれだけ遠ざけることができるかがポイントとなります。
そしてもうひとつ重要なのが、ウォレットを作成した時の「リカバリーフレーズ」の管理です。
この「リカバリーフレーズ」は「秘密鍵」と同じ意味をもちますので、安易にスクリーンショットを取ったりせず手書きのメモとして保管しましょう。
そして決して失くさないように注意したいですね。

数多くあるウォレットの中でもおすすめのものをいくつかご紹介します。

スマホで簡単に管理できる日本製ウォレット「Ginco」

スマホで簡単に管理できる日本製ウォレット「Ginco」
スマホで仮想通貨を管理できるモバイルウォレット「Ginco(ギンコ)」は日本のスタートアップ企業である「株式会社Ginco」が開発・運営しています。
仮想通貨の秘密鍵をスマホ端末に保管するウォレットなのでセキュリティは高く、端末の紛失や破損などのリスクにもバックアップ機能があるため安心です。
日本発ウォレットということで操作画面が日本語に対応していることはもちろんですが、日本語のカスタマーサポートが受けられるというのが大きなメリットです。
対応している仮想通貨は、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)など主要通貨を含む17種類とERC20トークンにも対応。
コインチェックで取り扱い廃止となりウォレットなどへの移動が必要となったオーガー(REP)や今回ハッキングにあったBithumb(ビッサム)にも上場しているオミセゴー(OmiseGo)なども保管できる優れものです。
Ginco(ギンコ)公式ページはこちら

長期・大金の保管で最もおすすめな「Ledger Nano S」

長期・大金の保管で最もおすすめな「Ledger Nano S」
Ledger Nano Sは『ハードウェアウォレット』なので、セキュリティ面で安全性が高いウォレットです。
仮想通貨の長期・大金を保管したい方なら1台は必ず持っておきたいアイテムです。
PCやタブレットに接続して使うタイプのデバイスなので、使用しないときはインターネットに完全に繋がっていない状態で、安全な場所に保管できます。
デバイスが壊れてしまっても、設定時に書き留めた復元フレーズを用いて手順通りにすれば、仮想通貨の保有データをすべて復元することができます。

仮想通貨を安全に保管する為のウォレットは他にもたくさんあります。
頻繁にトレードを行う方、長期でホールドする方など考え方によっても使い方は変わりますので、まずはウォレットの種類の違いを理解しましょう。
⇒「仮想通貨ウォレットの種類の違いを詳しく解説