三菱UFJフィナンシャル・グループが独自仮想通貨のMUFGコインの開発を新しい局面へと進めています。
米国で既にAmazonがレジ無し店舗「アマゾンGO」をオープンしていますが、そのアマゾンの顔認証などの技術を利用し、MUFG自社でもレジ無し店舗の認証実験を始めたと報じられました。
MUFGコインって何?
MUFGコインは、東京三菱UFJが開発する独自通貨です。
ブロックチェーンの技術を利用しているデジタル通貨ですが、他の仮想通貨とは違い1MUFG=1円と価格が固定されています。
用途としては、利用者同士でのスマホを用いた送金、加盟店舗内での決済手段として利用される見込みです。
まだ実験段階ですが、実際に広く使われるようになれば、電子マネーの枠を超えた決済手段となるかもしれません。
今回のニュースが報じたのはどんな実験?
今回行われた実験は、レジを通すことなく決済を可能にする技術の実験です。
顔認証により個人を判別し、手に取った商品をレジに通すことなく、お店を出ればアプリから決済が行われるというものです。
社内にコンビニエンスストアの無人店舗を設置し、認証実験が行われたようです。
これが実現すればとても便利ですね!
今ある決済手段に代わるものとなるかが重要
今回の認証実験は、今後様々な店舗で使われる決済手段の一つの可能性を示すものとなっています。
最近ではMUFGコイン以外にも、楽天やSBIなど大手企業が独自通貨の発行を発表しています。
新たな決済手段を模索していることは間違いないですが、仮想通貨を決済手段として定着させるには、取引量(スケーラビリティ)、信頼性、価格変動リスクなど様々な問題があります。
それでもこうした大企業が仮想通貨を研究するのには、ブロックチェーンという新しい管理の仕組みによりコストの大幅な削減や、利用者の拡大など様々なメリットがあるためです。
現在は電子マネーやクレジットカードなど、既に便利な決済手段があるため、その決済手段よりも良いものにする必要があります。
今後もこうした実験は各方面で行われていくでしょう。
MUFGコインは入手できる?
昨年から東京三菱UFJの社内で約1500名の社員が実際のお金のやり取りや支払いに関する実験が行われているMUFGコインですが、入手したいと思った場合はどうすればいいのでしょうか。
残念ながら現時点(2018年4月)ではMUFGコインを入手する方法はありません。
まだ実験段階のものであり、実用に向けて問題点の洗い出しなどが行われている最中です。
MUFGコイン投資対象になり得る?
MUFGコインの特徴としては他の仮想通貨とは違い、「1コイン=約1円」のほぼ円と等価になることが分かっています。
その為、値上がり益が期待できるものではありません。
実際に取引所などに上場され、一般的に購入ができるようになる時点でどのような定義づけをされるかにもよりますが、恐らくこの方針は変わらないものと思われます。
また、MUFGコインはビットコインのようなパブリックチェーンではなく、東京三菱UFJという管理主体があるプライベートチェーンです。
その点を考慮するとマイニングに参加して入手するという方法も選択肢からは消えそうですね。
今後の開発に注目はすべき
ここまでお話しをすると、あまり興味が沸かないと感じられるかもしれません。
ですが、メガバンクが開発するこの技術が今後どういった形で派生するのかは分かりません。
また、東京三菱UFJはリップルの開発にも参加しており、国際送金の仕組みの中でリップルネットワークを活用していく見通しが強くなっています。
一つの投資対象にはならないかもしれませんが、その影響力を考えると、今後のMUFGコインの動きに注目はしておくべきでしょう。
【本日の記事】ロイター「三菱UFJ、MUFGコインでレジなし店舗の実験開始」