G20┃仮想通貨に関する規制の明確化を今年10月までに

G20┃仮想通貨に関する規制の明確化を今年10月までに

7月21日~22日の2日間、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議において、仮想通貨の規制に関して議論が行われました。
今回、具体的な結論は出なかったものの、今年10月までにマネーロンダリング(資金洗浄)や脱税、テロリストなどの犯罪を防止するためのガイドラインを提出するよう金融活動作業部会(FATF)に求める形となりました。

仮想通貨に対する肯定的な共通認識と懸念点

仮想通貨の可能性を期待する肯定的な意見

G20によって発表された報告書の中では、『暗号資産の基礎となる技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る』と述べられており、各国が仮想通貨に対して肯定的な認識を持っていることが分かります。

マネーロンダリングなどの問題には引き続き警戒

その一方で、『暗号資産は消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題に対しては、引き続き警戒を続ける』とも報告されており、仮想通貨を利用した犯罪をどのように防止するかのガイドラインを提出するよう金融活動作業部会(FATF)に求めました。

現時点では金融システムの安定にリスクをもたらしていない

今回のG20の会議において『仮想通貨が、現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていない』とも述べられています。
他の機関から発行されている公式の報告書の中でも、「仮想通貨がマネーロンダリングに使用されるリスクは低い(NCA)」「組織的な犯罪には属していない(FSTB)」と記されており、現時点においては犯罪に利用されるリスクが低いという見方もあります。

仮想通貨の技術や可能性に対しては高い評価

これまでもG20においては、懸念点があるものの仮想通貨の基本的な技術や金融システムにもたらす可能性を高く評価する意見が多くみられましたが、今回の会議においてもこの点に関してはこれまでと変わりなく高い評価を得ているようです。

今年10月に提出される予定のガイドラインに注目

今回の会議では、仮想通貨の規制に対する具体的な結論は先延ばしにされた形になりました。
それでも、マネーロンダリングや脱税などの犯罪を防止するためのガイドラインを今年10月までに提出するよう求めるなど、いよいよ具体的な規制が明確化されつつあります。
ガイドラインの提出を求められた金融活動作業部会(FATF)は、2015年6月に仮想通貨の規制に関するガイドラインをまとめていますが、現在の日本の規制は、このガイドラインに基づいて整備されています。
FATFは、今年9月に会合を開催し、仮想通貨に対する規制をどのように適用するかを協議したうえで、10月に具体的なガイドラインを発表する予定となっています。

世界各国で仮想通貨に対する対応は異なっており、積極的な姿勢で取り入れていく動きもあれば、禁止しようとする動きもあります。
今年10月に予定されているガイドラインの発表の内容によっては、世界共通の国際基準となる可能性もあると同時に、利用に対する制限が厳しくなる可能性もあります。

世界中で動き出している仮想通貨の規制問題に引き続き注目していきましょう。

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