LINEが30通貨を扱う仮想通貨取引所を設立へ┃日本・アメリカは対象外

LINEが30通貨を扱う仮想通貨取引所を設立へ┃日本・アメリカは除外

2018年6月28日にLINEが年に1度、定期的に開催している「LINE CONFERENCE 2018」が開催されました。
LINEはこの大規模なカンファレンスの中で、今後の新しい展開やサービスに関して発表を行っています。
そして今回のカンファレンスで発表された、新しい仮想通貨取引所「BITBOX」が7月にオープンすること、そして新プロジェクト 「LINE Token Economy」が大きな話題となっています。

LINEが提供を始める仮想通貨取引所「BITBOX」の概要

仮想通貨事業に関して以前から積極的に展開を見せるLINEが発表したのは、新しい仮想通貨取引所「BITBOX」の提供に関してです。
この事業は7月からシンガポールでスタートし、LINEのグループ会社傘下の「LINE Tech Plus」を通して提供される予定です。

日本とアメリカはサービス対象外

LINE公式ページによると、「BITBOX」のサービスは『日本・米国』を除く各国となっています。
日本在住の日本人だけでなく、海外居住の日本人、米国居住者がサービス対象外となっており、IPアドレス、電話番号、KYC(※)によって利用制限がかかるとしています。
取引所の対応言語に関しても、日本語・タイ語を除く15言語としています。

※KYCとは
「Know Your Customer」の略。新しく口座を開設する際に銀行側等から要求される、身元確認における書類手続きの総称。

取扱い通貨の種類は約30種類で随時追加予定

「BITBOX」で取り扱われる通貨はBTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、BCH(ビットコインキャッシュ)、LTC(ライトコイン)等の30種類とされており、随時新しく追加していくとのことです。
法定通貨は扱わず、仮想通貨同士の売買のみとなっており、取引手数料は0.1%と低く設定されています。
「BITBOX」オープンから1ヶ月間は「オープン記念キャンペーン」として、取引手数料が無料になるキャンペーンを実施予定。

日本でサービス提供される可能性は?

LINE公式ページでは新しい取引所サービスの提供に関して「世界中の人とお金の距離をもっと身近にしていくため」「世界中で仮想通貨の取引ニーズが高まっている」と述べており、世界全体をみた金融サービスの構築と提供を目指していることが明示されています。
「LINEでは、各国のルールや規制に則り、仮想通貨事業を展開」すると説明されているように、現時点での日本国内の規制を考えると30通貨を取り扱う取引所は金融庁の認可を受けることができないため、日本でのサービス提供は難しいでしょう。
LINEが考える新しい金融サービスはグローバルに展開していくものであり、日本の規制に合わせてサービスを縮小するという選択肢はないように思います。
日本国内の仮想通貨取引所に関する取扱い方針が変化していくのであれば、日本でのサービス提供開始も可能性はあるかもしれませんね。

ユーザーとサービスの関係を再編する 「LINE Token Economy」

新しい取引所「BITBOX」の設立と同時に発表されたのが、新プロジェクト「LINE Token Economy」に関してです。
このプロジェクトの主旨は「ユーザーとサービスとの関係をより建設的な形でリデザインする」というものです。
現在のインターネット上には様々な情報・コンテンツが提供されており多くのユーザーが利用し、その恩恵を何らかの形で受けています。
こういった情報やサービスを提供している企業・グループが存在し、そしてユーザー自身もコンテンツを生産し・提供することもあります。
「LINE Token Economy」のプロジェクトは、こうしたユーザーと生産者の関係性を再構築することを目的としており、「インターネットサービスの提供や生産といった貢献に対して、適切な報酬が還元される仕組み」の構築を目指しているとのこと。
還元される報酬には、LINEの独自トークンの利用されると言われています。

LINEのブロックチェーン関連事業に対する取り組み

LINEは以前よりブロックチェーン関連事業に対して積極的に取り組んでいます。
「アンブロック」「アンチェーン」「ブロックチェーンラボ」といった、それぞれの役割に応じた開発組織が運営されており、独自トークンやDAppsの開発が展開されています。
LINEの今後の展開と、新しいプロジェクトが生み出す革新的なサービスに期待が高まっています。

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