仮想通貨市場、成長の兆し?コインベースがカストディサービスを開始

仮想通貨市場、成長の兆し?コインベースがカストディサービスを開始

日本の仮想通貨市場への進出を発表しているコインベース(coinbase)が、機関投資家向けのカストディサービス「コインベース・カストディ」の提供を開始しました。
この発表により、機関投資家が持つ巨額の資金流入が期待されており、仮想通貨市場が更なる成長に向けて動き出す可能性が出てきました。
コインベースのカストディサービスは、米国証券取引委員会(SEC)の登録を受け、金融取引業規制機構(FINRA)メンバーであるエレクトロニック・トランザクション・クリアリング(ETC)社によってカストディ業務が行われると述べられています。

カストディサービスとは何か?その影響は?

今回、コインベースが提供を開始すると発表したカストディサービスですが、カストディサービスという言葉を始めて聞いたという方もおられるでしょう。
カストディサービスとは、投資家の証券の保管・管理を代行し、配当金や元利金の受領を代理したり、資産の受け渡し決済、運用実績等の管理をするサービスです。

カストディサービス開始が意味すること

今までは仮想通貨を対象としてカストディサービスを提供する会社がなく、仮想通貨が急激に成長していく中で、法律面での整備や安全性の確立ができていないことが問題となっていました。
こうした状況が機関投資家の仮想通貨市場への参入を妨げていたと考えれらています。
米証券取引委員会(SEC)も仮想通貨の上場投資信託(ETF)が認められない原因の一つに、十分なカストディサービスの提供ができていないことが挙げられていました。
今回の「コインベース・カストディ」提供の発表により、滞っていた資産が仮想通貨市場に流れ込むことが期待されています。
また米国でのETF実現を後押しするのではないかとも言われています。

機関投資家の巨額資産とは

今回のニュースで用語としてよく出てくる「機関投資家」とはなんでしょうか。
機関投資家とは、「生命保険会社」「損害保険会社」「銀行」「信用金庫」「年金基金」「農協」「協同組合」といった、個人投資家などの資金を運用したり管理する法人投資家の総称です。
コインベースは、この機関投資家が手付かずのまま放置されている資産が100億ドルほどあると考えているようです。

機関投資家は多くの場合、短期間での売買を行わず、ロングスパンで運用していくのが通常です。
現時点での仮想通貨市場を見る限りにおいては、法整備などもしっかりと定まっておらず、安全性の面でロングスパンで資産を運用できるか判断するのが難しい状況です。
この状況を打破するひとつの手段として「コインベース・カストディ」に期待が寄せられているということですね。

日本進出も視野にいれるコインベースに期待

「コインベース・カストディ」で取り扱われる通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4通貨で、利用できるのは米国と欧州の機関投資家。
年末までにはアジアの機関投資家にも開放するとしており、取り扱い通貨に関しても増やす計画を立てています。

コインベースはアメリカの仮想通貨大手取引所として知られていますが、カストディサービスに加えて、決済プラットフォームや分散型取引所など、仮想通貨業界において幅広く事業を展開しています。
6月には日本支社の設立・日本の仮想通貨市場への進出を示唆しており、日本の投資家からもその動向に注目が集まっています。

海外の取引所の「日本離れ」が広がる中で、日本の仮想通貨市場への新たな展開をコインベースがもたらす可能性は十分にあります。
現時点では、日本でサービスを利用することができませんが、世界中で起こる大きな動きに合わせて、環境はどんどんと変化していくでしょう。
こうした移り変わりを敏感に察知することで、新しいビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

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